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TSUNAGU:つなぐー日米の架け橋として活躍する人物を探る

Activ8インタビュー・シリーズ

「TSUNAGU(つなぐ)とは“結ぶ”こと。働き手を探す人と仕事を探す人を結ぶ、異文化を結ぶ― かたちは違えど、私たちActiv8はより良き世界の実現のため「架け橋」となり日夜努力している方々に、心からの敬意を表します。Activ8の新しいシリーズ「TSUNAGU」は、ビジネス、教育、芸術、文化などを通じて日本とアメリカをつなぐ、インスピレーションあふれる人々を特集します。

第2回 千綿孝智 (Takanori Chiwata)氏:「COCONAMA CHOCOLATE」代表

今回の「つなぐ人」は、カナダ・バンクーバーでチョコレート店「COCONAMA CHOCOLATE」を創業した千綿孝智さん。創業10年足らずで押しも押されもせぬ地元の人気店となった背景には、自身が経験した数々の「つなぐ」ストーリーがありました。

学生時代、陸上選手として国体出場経験もあるアスリートだった千綿さんは「食でアスリートをサポートしたい」という想いから九州大学の大学院でフードサイエンスを学び、スポーツ食品の開発を志望して明治製菓へ入社しました。ところが配属されたのはチョコレートに特化した開発部門。これがチョコレートとつながった“運命の出会い”でした。

より近く、お客さまとつながりたい

明治製菓では工場や研究所で商品開発や商品製造管理を担当。「仲間にも恵まれやりがいのある仕事でしたが、大手なので実際にチョコレートを食べてくださるお客さんを遠くに感じてしまって、本当に私の仕事は誰かの役に立てているのだろうか、と疑問を感じるようになっていました」。商品を納品して終わりではなく、お客さんが満足していることを直に感じる仕事がしたいという強い気持ちに押されて、2010年6月に10年間勤めた会社を退職。3か月間、知り合いの菓子店で勉強したのち、9月にカナダへ渡り、同年のクリスマスにはバンクーバーにある日系スーパーの中で自社開発チョコレートの販売を始めるという“スピード転身”を果たしたのでした。

 ファーマーズ・マーケットでつながる

日系の食料品店に商品を卸すようになったあとも「もっとお客さんの顔がみたい」と地元のファーマーズ・マーケットへ積極的に出店。「コロナ(パンデミック)前は、週に10か所のマーケットに出店していました。今でも週に2~3回は僕が直接出向いて販売しています」と千綿さん。「ファーマーズ・マーケットではお客さんの反応を直接感じられるのでものすごく楽しい。生きてるなぁって実感します」。

お客さんが一番喜んでくれるのは、同社の生チョコレートのカラフルさ。“これは本当にチョコレートなの?” “こんなチョコレート見たことない”と嬉しそうに買って行ったお客さんが、また次回訪れて直に感想を教えてくれる。「これこそが自分が求めていたものだったんです」。他民族の人たちが多く住む町だったため、彼らの好みの味に合わせて商品を作る難しさや楽しさも知ったそう。

バイヤーとつながる

そんななか、オーガニックスーパーの有名店「Whole Foods Market」が、ローカルの商品を店内で販売するキャンペーンを行うことになり、仲間のベンダーとともにコンペに参加。見事採用が決まり、同スーパー内での販売が始まります。「Whole Foodsで扱っている商品ということで、信頼が増し、お客さんに安心感が生まれましたね」。

生産者とつながる

最初の4~5年は生チョコの販売がメインでしたが、その後、実際にベリーズやグアテマラなど、チョコレートの原料であるカカオの原産地に足を運び、生産者と一緒にチョコレートをつくるようになりました。生産者の方々が手間をかけて栽培してくれたことに感謝をしつつ、お客様にも感謝をしてもらえる会社をつくりたいという気持ちも、彼らとのつながりを通して生まれたのだそうです。

キャッチコピー「Connect People with Chocolate」に込めた想い

「COCONAMA CHOCOLATE」のキャッチコピーは、「Connect People with Chocolate(チョコレートで人々をつなぐ)」。チョコレートの原料、カカオの原産地はそのほとんどが貧しい国々であり、現地の人々が収穫から乾燥や発酵などのプロセスをすべて手作業で行っています。それを経て私たちの口に運ばれるのがチョコレートであり、“人のつながり”を忘れないでいたい・・・そんな想いがこのキャッチコピーに込められているとのこと。「チョコレートという商品は、自分が食べて消費するだけじゃなく贈り物に使われることも多く大切なコミュニケーションの手段にもなるものなんです」。

同社のロゴマークはカカオ豆がデザインされています。よく見ると多くの人の形で出来ています。

 

挫折経験から学んだこと、学べること

学生時代に出場した国体で、アスリートとしての限界を見せつけられたという千綿さん。「自分はこのレベルにはとてもついていけない、と思いましたね。だからこそ、努力するべき別のものを探さないといけないと思い、死ぬほど勉強して大学院に進みました。人は失敗や後悔があるからこそ頑張れる。毎日頑張らないと、明日の自分に怒られちゃいますから」。

より良い人間関係を築くために自身が心掛けていることと、これからの目標は?

「正直であること、それしかないですね。今後の目標は、“Connect People with Chocolate”を完成させたいですね。また、“次世代のチョコレート”をぜひ開発してみたいです」。

最後にこれから新しいキャリアを目指す方へのアドバイスを

「時間を大事にすること!時間だけは誰にも平等に与えられ、有効に使えば大きな差がつきます。社会に出たら誰も何も教えてくれません。いかに自分に投資し、足りないところを補う勉強をするか。成長が止まるほど怖いものはありませんから」。

 

◆COCONAMA CHOCOLATE

所在地: Address: 264 1st street East, North Vancouver, BC, V7L 1B3

電話番号:604-770-1200ウェブサイト:https://coconama.com/

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